紀陽銀行
紀陽銀行は紀陽ホールディングの子会社ですが、金融強化法の適用第1号案件として、有名になってしまいました。
もともと紀陽銀行はオーナーの山口家の同族経営の銀行で、バブルの時に、頭取である山口寿一頭取によって、頭取裁量のプロジェクトとして行なわれたフォレストシティプロジェクトが不良債権化するなどして、その他の貸し付けも続いて不良債権化してしまい、結局頭取辞任の憂き目にあいました。
自業自得と言ってしまえばそれまでですが、バブルがなければ9代目頭取として山口寿一氏も無事に頭取の役職を全うしたと思われます。
どちらにしても紀陽銀行は愛媛県に本拠があるただ一行の銀行ですが、同族会社で、銀行のオーナーの独走をだれも止められなかったという苦い経験は拭い去られません。
現在紀陽銀行は、過去の反省から、出来るだけ銀行の業務のスリム化に勤めていますが、2007年よりインターネット支店を開設しています。
インターネット支店とは言うモノの、内容はインターネットバンキングでローソンやセブン銀行のATMが使えます。
地域に関係なく、成人で日本に住んでいれば、口座が開設出来て、銀行のサービスが受けられます。
地方銀行がこのようなサービスに打って出るのは珍しい事ですが、このような戦略をとる背景には、紀陽銀行の今までの波乱の歴史があればこそでしょう。
見方を変えれば、体力のない地方銀行でもインターネットを使えば、全国規模の銀行業務も可能であることを意味しています。
一見地方銀行の捨て身の戦略のように見える、今回の紀陽銀行のインターネット支店の開設は、今後の金融サービスにとって、象徴的なことかもしれません。
今後このような手法で業務拡大を目指す地方銀行や弱小の都市銀行、あるいはインターネットバンキングを行なっている他業種からの新規参入組の銀行が、提携の環を広げていけば、メガバンクといわれている都市銀行も、うかうかして入られないはずです。
まだインターネットバンキングの利用は個人ユーザーが主体ですが、個人営業者や、企業が利用し始め、融資の利用まで行なうようになれば、実際に侮れない存在になることは確実です。
紀陽銀行にインターネット支店のシステムも今後改善されるべき点は多いと思われますが、今後の展開は金融業界全体が注目するところであると同時に、不景気に喘いでいる関西経済界からこのような動きが出てきたことは、必然といえるかもしれません。